こんにちは。
ファイナンシャルプランナーの荒堀です。

先日、福岡でセミナーを実施させて頂きました。

非常に多くの方にお集まりいただきまして、至らない点も多々ありましたが、
アンケートには嬉しいお言葉ばかり、頂いて嬉しく思っております。

先日のセミナーでiDeCoについてもお話をしておりました。

そのアンケートの中に、
「住宅ローン控除を受けているのですが、iDeCoの所得控除への影響について知りたいです」という質問を頂きました。

上記の質問はよく頂く質問なので、これを機にブログにて紹介させて頂きます。

住宅ローン控除使いながら、iDeCo使うと損するの?

この点については気になる方も多いと思うので、この記事で詳しく言及します。

先に結論だけ申し上げると、
住宅ローン控除とiDeCoの併用で損をする(正確にはメリットを享受できないだけ)のはケースバイケースだが、基本的にはiDeCoもやるべき!というのが私の考えになります。


今回の投稿はこんな方に読んで欲しいです。
・住宅ローン控除を受けていることを理由にiDeCoをしていない方
・住宅ローン控除とiDeCoの両方を使っているけど、正直よくわかっていない方
・iDeCoをやっており、住宅ローン控除の活用も検討している方

住宅ローン控除とは

おそらく、この投稿を読んで頂いている方は、住宅ローン控除について一定程度の理解があると思いますので、ここでは簡単に説明します。

住宅ローン控除とは、正式には「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除」といい、税制上、税額控除のひとつとなっています。「住宅ローン減税」と言われることもあります。

簡単にいってしまうと、一定条件のもと、住宅を購入すると、税金(所得税や住民税)が安くなるというものです。

基本的には、この住宅ローン控除というものは所得税が安くなるものなんですが、所得税から還付しきれなかった場合は、住民税からも引けます。

意外とご存知ない方も多いので、活用できる方は活用されてみて下さい。

住宅ローン控除を受けるためには確定申告をしないといけません。

確定申告は2月15日~3月15日になります。
一般の企業さんにお勤めだと、仕事も忙しい時期だと思いますので、早めに着手されることをおススメします。

ここから、今回のお題、
「住宅ローン控除を受けている方のiDeCoとの付き合い方」に大きく影響するポイントです。

住宅ローン控除は所得税の節税になるというお話をしました。
これは間違いありません。

正しい表現をするのであれば、
住宅ローン控除は「税額控除」となります。

何言ってるかよくわからないですよね(笑)

後で説明しますので、税額控除なんだ!とだけ覚えておいてください。

では次に住宅ローン控除とiDeCoをみていきたいと思います。

住宅ローン控除とiDeCoの節税の仕組みの違い

住宅ローン控除もiDeCoもどちらも所得税の節税になります。

しかし、この2つは異なるアプローチで所得税の節税となってくれています。

住宅ローン控除は「税額控除」でしたよね?
イデコは「所得控除」になります。

何が違うのかは以下の図でイメージ頂ければと思います。
(そんなにわかりやすい図ではありませんが・・・)

iDeCoで所得自体を減らしたものに税率をかけて所得税が計算されます。

その所得税から住宅ローン控除で税額控除、つまり税金を減らしてくれます。

ここで問題になるのが、住宅ローン控除を使いきれないことがあるということ、つまり税額控除の枠を余らせてしまうようなケースです。

せっかく使える住宅ローン控除を使い切れないのは少し残念ですよね。

しかしiDeCoの目的は老後資金の積立です。
老後資金積み立てのためにたくさんのメリットをiDeCoは準備してくれています。

iDeCoのメリットは所得控除という所得税の節税だけではないので、仮にこの効果があまりなかったとしてもあまり気にしなくても良いのかな?と思っています。

またマイホームを購入された方も所得税の節税になるから、マイホームを購入されたのではなく、家が欲しかったら購入されて、おまけでついてきたものが、住宅ローン控除だと思います。

したがって、このおまけにあまり振り回されずに、本来の目的に沿った運用ができればいいのかなーと考えます。

次に住宅ローン控除とiDeCoの所得控除と税額控除を使い切れるケースと使い切れないケースを見ていければと思います。

住宅ローン控除とiDeCoの節税、実践例

ここでは、住宅ローン控除とiDeCoの税額控除と所得控除を全て使い切れた例とそうでないものをあげていきます。

細かい数字が少しだけでますが、そこまで気にしてもらわず、ざっくり考えていければと思います。

住宅ローン控除とiDeCo、それぞれのメリットを使い切れたケース

まずは、住宅ローン控除の税額控除とiDeCoの所得控除のそれぞれをみていきたいと思います。


条件は以下の通りです。
・会社員30歳男性 配偶者あり 子なし
・課税所得500万円
・iDeCo掛け金:2万円/月
・住宅ローン控除額:40万円

課税所得≠年収です。念のために。

所得税の計算の際には、
iDeCoの所得控除、次に住宅ローンの税額控除の順番になります。

したがって、まずは現在の所得税と住民税ならびに、iDeCoでの節税額を計算してから住宅ローン控除の税額控除となります。

所得税の計算は以下の速算表を一般的には使います。

今回はiDeCoの節税額も計算するので、僕が大好きなろうきんさんのシュミレーターを使って計算したいと思います。

https://rokin-ideco.com/setuzei/

先ほどの条件を入力して出てきたものが以下の通りとなります。

iDeCoを使ったことにより、以下のようになりました。

所得税584,500円→535,500円 住民税510,000円→486,000円

合計で73,000円(年間)の節税になります。

この節税できた所得税から住宅ローン控除の400,000円を引いていきます。

535,000円(所得税)−400,000円(住宅ローン控除)=135,000円(所得税)

無事、住宅ローン控除の40万円を使いきれました。

この方は全く問題なく、住宅ローン控除とiDeCoを併用してもいい方です。
もちろん、iDeCoの所得控除も満額使うことができました。

おそらく、住宅ローンを組まれている方の多くは一定額以上の年収があり、所得税もそれなりの金額になっていることが多いので、住宅ローン控除もiDeCoの所得控除も満額使い切れる方も多いと思います。

それでは次に、住宅ローン控除とiDeCoの所得控除を満額使えないケースを見ていきたいと思います。

住宅ローン控除とiDeCo、それぞれのメリットを使い切れたケース

前提条件を少し変えさせて頂きます。


条件は以下の通りです。
・会社員30歳男性 配偶者有り 子なし
・課税所得350万円
・iDeCo掛け金2万円/月
・住宅ローン控除40万円

この所得で住宅ローン組んでiDeCoも2万円/月は正直しんどいと思うのですが、あくまでシュミレーションです。

iDeCo→住宅ローン控除の順番でしたよね。

またまたシュミレーションサイトを使ってやっていきます。

所得税278,200円→233,200円 住民税360,000円→336,000円

iDeCoで合計69,000円(年間)の節税になります。

次に住宅ローン控除を使っていきたいと思います。

400,000円(住宅ローン控除)−233,200円(所得税)=166,800円(住宅ローン控除の残り)

余った住宅ローン控除(166,800円)は住民税からも引けるので、こちらもやっていきます。

住宅ローン控除を所得税で使い切れなかった場合は、以下の計算式で住民税から控除ができます。


次の(1)(2)のいずれか少ない金額が、翌年度の住民税(市・県民税)から控除されます。
(1)所得税の住宅ローン控除可能額のうち所得税において控除しきれなかった額
(2)所得税の課税総所得金額等の額に7%を乗じて得た額(上限136,500円)

今回の場合は(1)控除しきれなかった金額(166,800円)よりも(2)の金額(136,500円)の方が小さいので、今回は(2)が適用になります。

(2)の適用ということは136,500円の控除なので、本来あった住宅ローン控除の166,800円を全て使い切ることはできませんでした。

よく、住宅ローン控除とiDeCoの併用はデメリットだと言われていますが、控除が少し小さくなることがある程度です。

たいしたことないと感じられませんでしたか?

ちなみに今回、もしiDeCoを使わなかった場合はどうなるかというと、

400,000円(住宅ローン控除)−278,200円(所得税)=121,800円(住宅ローン控除の残り)
360,000(住民税)−121,800円(住宅ローン控除の残り)=238,200円(住民税)

上記の通り、無事住宅ローン控除がうまく全額使えるということになります。

住宅ローン控除がある場合はiDeCoを使わない方がよいのか

結論から言うと、私は使っていいと思っています。

そもそもiDeCoの所得控除を使っても住宅ローン控除が全額使える方も多くいらっしゃると思います。

そんな方は迷わず、iDeCoを使われたらいいと思います。

また先ほど見た例のように、iDeCoによって住宅ローン控除が全額使えなくなったとしても、何かペナルティがあるわけではありません。

住宅ローン控除を使いながらiDeCoを始めて、控除を使い切れなかった場合はiDeCoの数あるメリットのうちの1つである、所得控除というメリットが使えないだけだと私は考えます。

iDeCoには他にも運用時非課税や退職所得控除というメリットもあります。

所得控除がなくてもやっていいものだと私は思っていますし、早く始めることにより、iDeCoの退職所得控除というものは大きくなります。

詳しくは過去記事に載せていますので、そちらを参照下さい。

今は住宅ローン控除とiDeCoの併用で、満額控除が使えてなくとも、年収が上がれば、満額使えていなかった控除も使えるようになるかもしれません。

冒頭でも書きましたが、iDeCoの目的は老後資金形成です。
そしてマイホーム取得を節税目的でという方は少ないと思います。

だったら、オマケに振り回されずに住宅ローン控除中でもiDeCoを併用されればいいと思います。

そうはいってもiDeCoで所得控除を満額使えない(実際には住宅ローン控除が残るのですが)状況でiDeCoにたくさんの拠出をするというのに抵抗がある方もいらっしゃると思います。

そんな方は是非、今回の投稿を参考にいくらまで、iDeCoをやっても影響がないかを確認してみて下さい。

自分でするのは難しいという場合はお近くのFPさんにご相談下さい。

住宅ローンを今から組む人は…

住宅ローンを今から組むという方でシュミレーションの結果、住宅ローン控除が全額使えないという方もいらっしゃると思います。

そんな方はペアローンを使ってもいいかもしれません。

夫婦共働きであれば、控除をそれぞれ使えますので、iDeCoと併用しても満額控除を使いやすいと思います。

ただ、節税を狙って無理をするとあまり良いことはなく、今回のものもデメリットがあります。

デメリットとして、
①離婚した時にペアローンはとにかく揉めます。
②奥さんが出産等により所得がなくなってしまうと住宅ローン控除をそもそも使えなくなってしまうかもしれません。

私、個人としては使える節税は是非使って頂きたいのですが、無理をするのはよくないと思います。
(投稿に書いておいて恐縮ですが・・・)

大変長くなりましたが、まとめとしては、
住宅ローン控除があってもiDeCoを使ってもらってもいい!となります。

本日も最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。