投資信託はiDeCoやNISA、積立NISAの登場により、活用されている方を最近はよく見かけます。(それでもまだまだ少ないですが・・・)
しかし「積立NISAってすごくいいからと聞いたので始めました」という方が本当に多いという印象です。投資信託を始めることは非常にいいことだと思うのですが、なぜ資産が増えるのか、どのような仕組みになっているかの理解は必要だと思います。
私は投資信託を始めることは非常に簡単だと思っています。購入商品を誰かに教えてもらえれば口座開設をして商品を購入するまで、早い人なら1時間でできます。
ここまでは投資信託の知識など全くなくて大丈夫です。商品さえ間違っていなければ、時期がよければこのまま順調に資産を増えてくれることもあるかと思います。
ただ投資信託は長期で分散して積立てをしていくことにより、世界経済の成長を享受できる仕組みになっているため、最も大切なことの1つは長期で積み立てをするということです。
この長期で積立をするということを邪魔してくるのが不定期ながらも定期的に訪れる暴落です。元本割れをして、このままズルズル下がってしまうのではないかという不安が本来長期で積み立てをしないといけない投資信託を解約に向かわせます。
今日は投資信託がなぜ資産を増やしてくれるのかという点について見ていきながら、長期で積立られるようになるための第一歩を踏み出してもらいたいと思います。
1、暴落は定期的に訪れる
2、世界の経済は右肩上がりに成長している
暴落は定期的に訪れる

暴落は定期的に訪れます。投資信託をやるうえで最も難しいことはこの暴落というものを乗り切って、株価が下がっていることも気にせず、買い続けることです。これさえできれば、投資信託での資産を増やすことにはほとんど成功したと言えるとわたしは思います。
しかし暴落をメンタルだけで乗り切ることはできないと思います。これは行動経済学という学問が証明してくれています。
(行動経済学の入門書:予想通りに不合理・ファストフローなどは読んでもいいかもしれません)
暴落を乗り切るには投資信託の仕組みの理解と過去の歴史とこれからどうなるかなど、投資にまつわるしっかりとした知識と少しのメンタルが必要です。
現在この記事を書いているのは2019年5月ですが、直近だと2018年の12月などはそれなりに株価は下落しました。
2018年の10月に日経平均は24000円を超えてから、ズルズル下げだし、12月には22000円台になっていました。そこから一気に1ヵ月の間で19000円台にまで下がりました。
もし、2018年の10月から日本株を中心で投資信託を始めていた人はすごい辛い時期になったと思います。もしかすると解約をしてしまっていたかもしれません。
これも知識があれば、乗り越えられた下落だったと思います。偉そうなことを言っていますが、わたしも投資信託を始めたときは株価の急落には少し苦労しました。
これとは別の話ですが数年前のことです。わたしは仕事でもプライベートでも投資の話をする機会が少しあります。その中で友人から何を買ったらいいのかを聞かれたことがあり、私が買っている商品と比率を教えてあげ、買っている理由も簡単に伝えました。
そして「これは長期で積み立てるものだから元本割れしても持ち続けてな」と伝えていたつもりでした。しかし半年ほど経ってその友人と会ったところ、投資信託を始めはしたが、すごく減っていたので解約をしたとのことでした。
たしかにその時期は少し世界的に株安の時期だったのですが、数か月後には元にもどるレベルの株安です。要はたいしたことなかったのですが、友人には自分の入れたお金がみるみる減っていく恐怖。しかもその理由もわからない(わたしはほとんど銘柄だけ伝えて仕組みを伝えていなかったので)ということで解約をしたとのことでした。
この時、わたしは本当に反省しました。
友人の大事なお金を減らしてしまったこともそうなのですが、それ以上に友人の投資の機会を奪ってしまったかもしれないなと思いました。
「投資はやってみたけど、あれはよくなかった」と感じさせたまま一生を過ごしてしまうかもしれないと考えました。
そこで友人にお願いをして休日に4時間、時間を作ってもらい投資信託の仕組み、なぜ投資信託の全世界への分散投資でお金が増えるのかということについて話をし、理解してもらった上で投資を再度始めてもらいました。
今では彼は自身でも非常に勉強しており、株安などの暴落時には喜んで買い増しをするほど(安い時に買っておくと上がった時に増えやすくなります)すっかり投資家になりました(笑)
このことからわたしは常々、投資は始めるのは簡単だが、続けるのは難しいということと長期投資をするには一定以上の知識が必要(それほど多くない)と考えるようになりました。
また個別の銘柄を伝えるのは有名な「魚を与えるのではなく魚の釣り方を教えよ」という話の観点でいくのであれば、魚を与えているだけになるのかもしれません。
その銘柄が相対的に悪い商品になるかもしれませんし、そもそも暴落に耐えられる知識やメンタルが身につかない可能性が高いです。
わたしはそれ以来、個別の銘柄にはなるべく言及しないようにしようと思っています。
世界の経済は右肩上がりに成長している

世界の経済は成長しています。わたしたちはその成長に乗っかれば資産を増やしていけます。しかし世界中の全ての地域や企業が成長しているわけではありません。マイナス成長の地域や倒産する企業もありながら、世界全体でみると成長しています。
だからわたしはどこの地域の何が成長するという予想をするのではなく、全世界に投資をします。ただこれだと個人レベルではとてもできるものではないので、分散投資に活用するものが投資信託というわけです。
世界経済が成長しているという点を下記の3つで確認していきたいと思います。
(1)アメリカの過去40年のチャート
(2)スマートフォンから考える
(3)フランスの経済学者の考え
(1)アメリカの過去40年のチャート
世界の経済というわけではありませんが、世界経済の中心といってもいいアメリカの代表的な株式指標である、ダウの過去40年ほどのチャートになります。

https://ecodb.net/stock/dow.html
デコボコを繰り返しながら、右肩上がりになっていることがおわかり頂けるのではないでしょうか。1980年には1000ドルなかったものが今では25000ドルを超えています。
短期間で見れば資産を減らしている期間もあります。しかしゆっくり時間をかければ、かなり大きく資産を増やすことができるイメージにはなるのではないでしょうか。
他の先進国、例えば日本などはバブル期に記録した高値を未だに超えられていません。そういう国ももちろんあります。それでも世界全体に投資をすることで、そのリスクを軽減して世界の経済成長に乗っかっていきます。
世界が右肩上がりに成長しているというのはチャートだけでなくてもイメージできると思います。例えばスマートフォンです。
(2)スマートフォンから考える
わたし(30歳)は13歳に携帯電話を親に買ってもらいました。当時好きだった子とメールがしたくて買ってもらいました(笑)ちなみにアドレスを聞くのが恥ずかしくて、その子とメールができたのはずっと先になりましたが・・・
当時買ってもらった携帯はもちろんガラケーです。315円(税込み)で着メロを購入していたのが懐かしいです。当時はそれでもすごいことでした。
今では携帯で動画が見れて、インターネットにサクサク接続できます。このブログを見てくれている多くの方もスマートフォンを使われているのではないかと思います。
更に機能が増えることはあってもこれからスマートフォンがまたガラケーの機能に戻ることは考えにくいと思います。これはあらゆる分野で同じですよね。
車は自動で動く時代になり、財布を持たなくても会計ができるようになり、買い物に行かなくてもロボットが家まで持ってきてくれるようになり・・・
わたしたちの生活は今後も益々便利になります。そして次のような循環が今までもこれからもゆっくり流れています。
①新たなモノやサービスが生まれて企業は収益をあげる
⇩
②収益をあげた企業で勤める従業員の給料が上がる
⇩
③従業員は生活を豊かにするためにモノやサービスをお金を対価に手に入れる
⇩
④企業は収益をあげて更に新たなモノやサービスを提供していく・・・
ざっくりですが、こんな感じで資本主義社会の中で人は豊かになり続けることを求めて、世界はゆっくり成長しています。
(3)フランスの経済学者の考え
フランスの経済学者のトマピケティという方も世界は毎年成長している、投資に関してはこの200年間は平均で4-5%のリターンを得られており、今後もそれは続くとおっしゃっています。
(ちなみにその本では給料は1-1,5%ほどしか伸びておらず、資本を持たない労働のみに頼る人と、資本を持つ投資を行う層で貧富の差がドンドン大きくなるとおしゃっています)
ここまで世界は少しずつ、豊かになっているということを書かせてもらいました。世界が豊かになるという前提があるのであれば、個別の企業や国、地域のどこが伸びるという予想をせずとも、世界中に投資をすれば、そのリターンを受けられます。
そして世界中に分散投資を効率的にできるのが投資信託であり、世界経済の成長とともに少しデコボコはありつつも右肩上がりに成長するということをわかっていれば、少々の暴落などは気にならなくなるはずです。
「あーいつものデコボコの凹んでる方がきたのかー」ぐらいでいいわけです。
どのぐらい増えるのか、どのぐらいリスクがあるのかは詳細にはわからないと思いますが、長い目でみれば、資産は増えるので、一喜一憂せずに長期で保有頂くメリットがおわかり頂ければ、大変嬉しいです。
本日も最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。