iDeCoという言葉をよく耳にされる方も多いのではないでしょうか。
iDeCoというものを理解してもらうときにわたしはよく「少し特殊な銀行口座をイメージしてください」とお伝えしています。
その特殊な銀行口座であるiDeCoの中には現金でも保険でも、あるいは投資信託でも預けておくことができます。
そのiDeCoという特殊な銀行口座にお金を入れるとたくさんの節税ができるようになります。
「iDeCoの具体的なメリットは以下の3つです」2、運用中にでた利益が非課税になる
3、受取り時にも税金のメリットがある
iDeCoは、特に投資信託との相性がいいと思っており、私としては基本的にiDeCo+投資信託であわせて運用してほしいです。
わたしはこのiDeCoという制度は多くの人にとって積極的に活用すべきだと思っています。会社員の方であれば、満額やるべきだとも思っているのですが、難しいようであれば、5000円/月でも今年から始めて下さい。
iDeCoのメリットとデメリットを正しく理解頂き、基本的にはこの制度を活用することを積極的に考えて欲しいと思い投稿させてもらいます。
早ければ早いほど、受取り時の非課税枠も大きくなり、税効果を大きく受け取れます。これは後程説明させてもらいます。
この投稿を読めば、あなたはiDeCoの大まかなメリットが理解でき、ご自身でiDeCoを活用するかどうかの判断ができるようになります。
それでは前置きが長くても仕方がないので、早速本題に入りたいと思います。

掛け金が「所得控除」され税金が返ってくる
多くの人にとってiDeCoを始める最も大きい理由はこちらではないでしょうか。
iDeCoで積み立てている掛け金は全額、所得控除されます。
その結果、所得税や住民税の節税ができます。
目先の節税ができ、かなりの金額を手元に残すことができます。
・配偶者あり(子なし)
・iDeCoの掛け金:23,000円
このような方がいらっしゃった場合は年間で約4万円の節税になります。
この節税額は1人1人異なりますが、基本的には年収の高い人の方が節税額は大きくなります。
細かい金額を知りたい場合は下記、中央労働金庫さんのiDeCoの節税シュミレーターがおススメです!
https://rokin-ideco.com/setuzei/index.html
節税額はだいたいでもいいので把握しておいてほしいです。
会社員の方であれば年末調整でiDeCoの所得控除を申告することが多いと思います。所得税の節税部分は年明け1月頃にまとめて返ってくることが多いです。
一方で住民税は翌年からこっそり安くなっています。
つまり節税額を把握しておかないと住民税はせっかく節税できているのに気づかないうちに使ってしまうことが起こってしまうのです。
個人的には節税できた住民税は貯金もしくは投資に回してほしいと思っています。使うにしても「iDeCoで節税したおかげで今日は焼肉だ」みたいな感覚で使ってほしいなと思います(笑)
せっかく節税ができているのに、それに気付かずに使われることはできれば避けて欲しいです。

運用中も税金がかからない「運用時非課税」
運用時非課税という制度も非常に大きな節税になります。
NISA、つみたてNISAは現在非常によく耳にするのではないでしょうか。
NISAやつみたてNISAはいくつかの制限があり、まだまだ使いにくいところもあるのですが、大変人気です。
理由は「運用時非課税」だからです。
そしてiDeCoも運用時非課税です。
お気付きの通り、iDeCoのメリットの3つあるうちの1つである、運用時非課税ですが、NISA等はこれだけで非常に高い人気があります。
他にも2つも優遇されているiDeCoってすごいんですよね。
運用時非課税の効果ですが、通常の投資信託で利益がでると約20%の税金がかかります。
100万円で購入した投資信託が200万円になった時に売却をすると値上がりした100万円に対して約20%の税金がかかります。
このケースだと約20万円が税金で手残りが約180万円になります。
これがiDeCoの場合は税金がかからないわけです。
またあわせて、リバランスも非常にやりやすいです。
投資信託をやられている方ならリバランスという言葉を聞かれたことがある方もいらっしゃると思いますが、iDeCoにあるスイッチングという機能を使えば、リバランスも非常に簡単にできます。
スイッチングという機能はNISA等にはない機能で本当に使いやすい制度になっています。
またリバランスの時に生まれてしまう利益にも当然、本来なら税金がかかってくるのですが、iDeCoなら、その課税の心配もありません。
少し話が逸れてしまいましたが・・・運用中に税金がかからないことにより、元本は大きいままなので資産は雪だるま式に大きくなります。
拠出時には所得控除で所得税と住民税が安くなり、運用中の利益は非課税です。じゃあ、iDeCoっていつ税金が発生するの?って思われる方もいらっしゃると思いますが、iDeCoは受取り時に課税されます。
しかし、その受取り時にも税の優遇があります。

「退職所得控除」など受取り時にも税金が安くなる
iDeCoは60歳以降お金を引き出せるようになりますが、そのお金の受け取り方には3つ方法があります。
1.一時金で受け取る
2.年金で受け取る
3.年金で受け取った後に残りを一時金で受け取る
それぞれ見ていきたいと思います。
iDeCoを一時金で受け取り「退職所得控除」を活用する
iDeCoを一時金で受け取った場合には退職職控除という税優遇が受けられます。
具体的には以下のような計算式で税優遇の額が決まります。
見慣れない式ばかりで嫌になりますが、実例もだすので、ご安心ください(笑)
サラッと簡単にみていきましょう!
(iDeCoの受取金額−退職所得控除)×1/2=退職所得
ここで求めた退職所得に所得税と住民税をかけます。
勤続年数×40万円
②(20年超の場合)
勤続年数×70万円+800万円
こんな計算式は暗記頂く必要はないのですが、少しだけ計算式を眺めてもらっていいですか?
お気付きになられたかもしれませんが、
iDeCoにお金を長くかければかけるほど、税金の優遇は大きくなります。
【iDeCoをやっている期間】
①20年間は毎年、40万円非課税枠が大きくなります。
②20年超になった場合は毎年、70万円非課税枠が大きくなります。
長く続ければ続けるほど、受取り時の税金も安くできるのがiDeCoの良さです。
ところで少し話はかわってしまいますが、投資信託は複利運用で資産を大きくするものですよね。
毎月3万円の積立で利回り5%で運用できた場合、20年で12,331,010円(元本は7,200,000円)
30年で24,967,759円(元本は10,800,000円)
(税金は考慮していません)
ご覧いただいた通り、複利のちからで長期間の運用ができれば、お金の増え方も段々と大きくなっています。
iDeCoの退職所得控除も投資信託の複利効果も年数を長くかければかけるほど、大きな効果が得られます。
これがわたしがiDeCoで投資信託を使って欲しい理由になります。
とっても相性がいいんです!
少し話が逸れてしまったので、iDeCoの話にもどしますね。
例えば、30歳の方がiDeCoで毎月2万円を入れて投資信託をします。
そのお金が30年後に1500万円になっていたとします。
税金はどのぐらいかかるでしょうか。
普通に特定口座というところで投資信託をした場合は約20%の税金ですので、約156万円の税金がかかります。
iDeCoの場合はこのケースは退職所得控除により、税金は0円です。
(退職所得控除の計算により、1500万円までは非課税となります)
非常に大きな節税になっているのではないでしょうか。
しかも拠出時は所得税・住民税の節税ができ、運用中にでた利益も非課税で
受け取った時にもこれほどの効果があります。
投資信託の運用次第でもっとiDeCoの中にあるお金がもっと大きな金額になった場合には税金がかかることもありますが、1/2課税というそもそも課税対象を半分にしてくれる効果もあるので、非常に効果的です。
この一時金での受取りはいくつか気をつけることもあるので、iDeCoを実際に始められている方、これから始められる方は受取りの5年ほど前から、どの受取り方法がいいかをご自身あるいは専門家と相談してもいいかもしれません。
特に勤務されている会社から退職金をたくさん受け取られる方はよく検討されてからiDeCoを活用するか決めて頂きたいです。
iDeCoを年金のように毎月受け取り「公的年金等控除」を活用する
iDeCoのお金は国民年金や厚生年金のように月々受け取ることもできます。
受け取った際の税金は以下の通りとなります。

ちょっと見たくないですよね?(笑)
64歳までは108万まで、65歳以降は158万まではiDeCoのお金を年金受取りしても税金がかかりません。
それ以上受け取る時にはドンドン税金が大きくなるイメージです。
他にも控除などはたくさんあるのですが、ざっくりイメージだけでいいです。
こちらは私たちがiDeCo以外から受け取る年金との合算になります。
年金受給時にiDeCoからもお金を年金のように受け取ってしまうと年金受取りの総額は大きくなるので税金は結構高くなってしまいます。
逆にいうと年金を受け取っていない時期であれば、公的年金等控除を使えば、かなり受取り時の節税ができると考えられます。
例えば、現在だと60歳~64歳は年金を受け取っていない方も多いのではないでしょうか。
60歳~64歳まではiDeCoを年金で受け取ってしまい、実際に国民年金等を受給され始めた際にはiDeCoを先ほど紹介した一時金で受け取り退職所得控除を活用する、組み合わせのようなこともできます。
ここまで長くお話をさせて頂きましたが、受取り時の家庭環境や退職金、退職時期やiDeCoに貯まっている額というのはある程度想定できるかもしれませんが、正確には誰にもわからないものだと考えます。
各家庭により、税金を1番安く受け取る方法というのは異なります。
これを今からある程度は想定する必要はありますが、神経質にはならなくていいと思います。
「長く続けていれば、退職所得控除が大きくなるし、受取り前に受取り方法はじっくり考えよう」というある程度ざっくりした考え方でもいいのかなと個人的には思います。

「60歳までお金を出せない」はデメリットなのか
iDeCoは原則60歳まで、引き出しができません。
これを理由にiDeCoを活用しない人が非常に多いように感じます。
そして気持ちもよくわかります。
わたしもそうですが、普通は30年後の1000万円より、目先の10万円の方が嬉しいですし、そっちを選びたくなります。
老後資金の積立って地味ですし、なんとかなるとも思ってしまいます。
でも本当になんとかなるでしょうか。
わたしの周りの年金受給者で年金が少なくて全く生活ができなくて困るという声は聞いたことはありませんが、余って仕方がないというのも聞いたことがありません。
わたしがよく耳にするのは「生活していくのにギリギリ」です。
もちろん個人個人で支出も年金受給額もかわってきますが、現在の年金受給者の方の多くは持ち家があり、長く同じ企業に勤め大きな退職金を受け取られた方も多く、消費税や社会保険料もわたしたち現役世代よりずっと安い時代を生きてきました。
つまりわたしたちよりも資産を増やしやすい環境におられました。
企業に勤めていると右肩上がりに給料があがり、保険や貯金にお金を預けておけば5%や6%の金利を受け取れていた世代になります。
彼らが困っていないからといってわたしたちがお金に困らないというのは全く違うと思います。
年金は仕組みを少し勉強されればわかりますが、わたしたち現役世代が年金受給する頃には実額で減っていると思います。
さらに日本がインフレすると実質の年金の受取金額という面でも減っていきます。
それを踏まえて考えると、「どうせ貯めないといけないお金」なので60歳まで引き出せないことは大きなデメリットではないと考えます。
またiDeCoは支払いが厳しければ1年に1回支払い金額を変更することも可能です。
これは毎年12月から11月の拠出期間で年1回のみ行うことができます。1年で何度も変更することはできません。
さらにどうしても支払えない場合は支払いを止めることもできます。
60歳まで引き出せないというのは明らかにデメリットですが、毎月10万、20万払うものではありません。会社員であれば、最大2,3万円/月です。
これを引き出せないからということでiDeCoをはじめないと、何年も経過して、いざやりたくなった時には退職所得控除も大きくなりませんし、投資信託を活用するのであれば、複利のちからも小さくなります。
満額で始めなくても退職所得控除の計算に使われる勤続年数にはカウントされますので、是非、少額からでいいので積極的に活用に向けて検討頂ければと思います。
ご不明な点などございましたら、当ブログのお問い合わせからか、コメントに頂ければと思います。
本日も最後までお読み頂きまして、ありがとうございます。